|
||||||||||||
お護摩はインド伝来の密教の秘法で、 火を焚いて中に供物を投入れてご本尊を供養し、 その加護を願う儀式です。 ご信者の皆様の家内安全、商売繁盛、開運厄除、病気平癒などを祈願いたします。 『大日経』には、 「火の本来の性質を知らない者の焚く護摩は本当の護摩ではない」とあり、 護摩の火は如来の大智の光であると説かれています。 また、この如来の大智火、ご本尊のお悟りの火は、 人間の心中に巣くっている欲深い貪りの心、 憎い腹立たしいという瞋(いかり)の心、 あるいは物事の道理が判らずに愚痴ったり、 くさったりする心、そしてこのような迷いの心を 生ずるもととなる無明煩悩を薪として燃えあがり、 焼きつくすのであると説かれています。 お護摩の功徳は、たんに世間的なお願いの成就を祈るだけでなく、 この祈りを通して私たちの本当の生命(いのち)、 迷いのないご本尊のお悟りを、自心に頂戴するところにあります。 お護摩には外護摩(げごま)と内護摩(ないごま)とがあり、 実際にお護摩が焚かれるときには、この二つの御護摩が修行されています。 外護摩は護摩供修行者(導師)が護摩壇に向かい、作法にしたがって焚くお護摩です。 このとき、導師は火炉の中に招き入れたご本尊と一体となって、 ご本尊の大智の火を焚いているのです。 護摩供修行にあたって、施主(信者)の方々にお加持をしております。 これはご本尊と一体となった導師がさらに施主と一体となって、 ご本尊のお徳を頂戴していただくための作法です。 お護摩は導師一人が焚いているのではなく、 施主の方々はお加持を受けることによって、 お護摩そのものに参加しているのです。 また、お護摩の火の中に、施主の祈願のこめられたお札を供ずるのは、 願う心の中にひそむ迷いの心を、 ご本尊の大智の火によって焼きつくし、 真実の祈りがご本尊に通じることを祈るからであります。 次に内護摩とは、外護摩と平行して導師が心の中で行っているもので、 ご本尊の大智の火で、人々のあらゆる煩悩と悪業を焼きつくし、 人々とともに菩提への道を歩もうとするものです。 そこで施主の皆様も、導師の焚く護摩の火の中にご本尊の大智の光を観じて、 その中で自らの迷いや煩悩を焼きつくすほどに祈りをささげていただきたいのであります。 真心の祈り、これがご本尊のご誓願にかなう道であり、 必ずや御利益をいただける道であると信じる所以であります。 |
||||||||||||
|